日本で過ごしたことがある人なら、多分わかめを食べたことがあるでしょう。濃い緑色の、つるつるした海藻で、昆布の一種、味噌汁やサラダの主品として長く使われて来ました。でも、それがどうやって育てられるかは知っていますか?それを探るために、私はわかめの生産でもっとも大事な場所の一つである鳴門(なると)を訪れました。
私の案内をしてくれる芝原さんは、彼の村に住むほとんどの人と同じように、わかめの養殖にずっと従事してきました。芝原さんの会社は5人のみで運営されていますが、海洋の一区画での養殖権を持った20ほどの会社の組合のひとつです。
わかめの養殖は特定の季節に限られ、塩水のタンクの中の、ひもがついたフレームで育てられているものが、来年の収穫となります。すでに胞子がかけられて5ヶ月ほどですが、海藻はまだ肉眼で見るには小さすぎます。
来月には、約1メートル感覚でフレームに縄をつけて、3つの縄が十字になるように伸ばします。そして錨と筏の間まで沈められ、春になるまでわかめが育ちます。
2月と3月に収穫された後、天然の茶色からもっと食欲をそそる緑色にするため、わかめは少しゆでられます。
塩を取っていくプロセスにおいては、細胞壁を壊さずに柔らかくするためにまずは塩水に、それから浄水に浸けられます。次に、遠心分離器で回されてから、置棚で乾燥します。
わかめには、葉の部分と、浅緑色の茎の2つの部分があります。この葉の部分が通常私たちが食べる「わかめ」ですが、茎の部分も調理に使用されます。
わかめは普通調理しやすいカットされたものが売られますが、長い「糸わかめ」も鳴門にやってくる人たちのおみやげで人気です。わかめを保存するためによく塩がまぶされ、冷蔵庫に保管され、一年を通して徐々に出荷準備されます。包装される前には、小さなエビとか不純物がないか検品されます。
以上が、基本的なプロセスですが、1、2ステップは忘れてしまっているはずです。というのは、ここまで複雑だとは思いもよらなかったから!これからは私が頂く味噌汁に、今までと比べ物にならない感謝の念を抱くはず。
芝原さんが他にも地元の産業を見せてくれました。
わかめの養殖場を訪れた場所は、ぜひ近くにある鳴門海峡を訪れてみたいと思いました。瀬戸内海と太平洋が出会うこの小さな海峡は、波によって押し出される巨大な水量が通り、海産業に理想的な状況を作り出します。高速の海流が海峡側の浅瀬の部分に当たることで、渦潮(うずしお)が形づくられます。私は渦潮まで近づけるハラハラなボートに乗ってみました。
宿に戻る前に、もうひとつ訪れる場所がありました。鳴門のもうひとつ別の世界です。大塚国際美術館にはたくさんの西洋美術の名作が見られ、陶板に見事に再現されています。先ほどまでの、鳴門のいかにも日本的な世界から、システィーナ礼拝堂の中に足を踏み入れたので、かなり変な感覚でした!
明日は、私はフェリーに乗って和歌山へ行き、温泉を目指します!
翻訳:We Love Japan Tour 事務局・中山慶