宮崎から大分への旅は、海から山へと、また夏から秋への旅でした。ここ竹田では、清らかな山や川や風が、収穫間近の黄金色の田んぼや緑の木々の中で感じられます。

田舎景色の道路の脇には、ピンクとホワイトのたくさんのコスモスが見られました。

到着後は、歴史的な城下町である竹田の中心を散策しました。

何世代にもわたって商売をしているお店がたくさん

竹田の人々は、自分たちの歴史遺産を残すためにありとあらゆる面白いアイデアを考えてきました。例えば、あるトンネルの中を歩くと、地元の著名な作曲家・滝廉太郎の『荒城の月』の音楽が流れます!他にも古い建物を様々にクリエイティブに活用しています。

もと銭湯のここは今はカフェとなりました。浴槽が座る場所で、カウンターはもともと体を洗っていた所。蛇口がまだついていますね。

私は、羽田野さんのお宅である農家に泊まります。

この農家は「雲中坂」という名前で、かつて大名の狩小屋へと続いた石の道から取っています。

みなさんから、特に「家庭のボス」である6歳のカンタくんから、とっても温かくもてなしてもらいました。

カンタくんは、私が夕食の写真を撮っているのを見ると、おじいちゃんのカメラを取って、同じことをし始めるんです!

家族みなさんで、私が今まで行った場所を見たがりました。

今朝は羽田野さん(お父さん)が、近所を案内してくれました。

途中で「かぼす」を見つけました。大分の名産の果物で、刺し身に搾るとよく合います。

地元の神社です。実は竹田にあるこのような神社の多くは、キリスト教が禁じられていた時代はもともと隠れキリシタンの信仰の場でした。

私の果敢なガイドさんが道を作ってくれます。岩の柱は、かつて阿蘇山が噴火した時の溶岩が溶けて出来たもの

さて、Hidden Beauty・隠れた魅力へ出発する時間です。本日は水と関わりのあるもの。竹田はその鉱水で有名で、熱いものはお風呂用、冷たいものは飲む用に使われます。私たちは2つの泉を訪れ、そこから湧き出る美味しい水を頂きました。来る人の多くはボトルや、タンクまで持ってきていっぱいにしていました。

後ろに見えるのがクレソンで、綺麗な湧き水の場所に育ちます。

メインの目的地は白水ダム。日本のもっとも美しいダムとして知られています。

ホストの皆さんが用意してくれた手作りピクニックで準備万端!

竹田はたくさんの鉱泉がありながら、歴史的にみると農業で常に水が不足し、水をめぐって戦が起こるほどでした。1938年にもとは貯水池だった所にダムは建設されたのですが、技術者はある問題に直面しました。

近くで見ると、ダムは左右対称でないのがわかりますね…

竹田地域は比較的柔らかな火山岩による土壌なため、コンクリートで作られたダムはすぐに地盤沈下を起こします。その代わりに、技術者たちはコンクリートよりも軽いこの地域の同じ岩を使う解決案を見出しました。そうしてダムを作り、元の川底と同じような輪郭を型取り、圧力を減らしたのです。ダムの曲線は美しいだけではなく、機能的で、落水する力を軽減もします。

表面は意図的に荒く残され、何百もの小さな段が、ダムの名前を冠する「白水」を生み出します。

ダムの上からも素晴らしい景色が

こうした火山性の丸石が山腹にちらほら見られますが、ダム建設に使われました

白水ダムからそこまで離れてないところに、水の技術と関わりがある、明正井路(めいせいいろ)があり、もっとも日本で大きい水道橋のひとつです。

水道橋はおよそ百年前に建てられ近隣の町に水を運んだのですが、それより古く見えます。

そして最後には、ヒメダルマが作られている場所にも行きました。張り子で作られた人形は竹田に特有のもので、今でもそれを作る職人はもうひと家族しかいないのです。ふつうのダルマ人形と違って、「ヒメダルマ」だから女性です。

後藤さんご夫妻は年中一生懸命作っているのですが、それでもこのユニークなダルマさんは長い予約待ちです

ホストの皆さんから、贈り物で何をもらったでしょう?はい、私の姫だるまです!これで絶対に、竹田での時を忘れるはずはありません。

翻訳:We Love Japan Tour 事務局・中山慶