告白しないといけません。私、日本の陶芸には本当に目がないんです。日本に来る前にも、地元の博物館の東洋陶芸コーナーで、数時間を過ごしたりしていました。だから本日は、佐賀の山奥に隠れた大河内山(おおかわちやま)の「秘窯の里」を訪れることができて、本当に天にも昇るようでした。

焼き物も風景もともに肩を並べる美しさです。

ここにはどこも楽に歩ける距離におよそ30の窯があります。それぞれにお店もあり、陶器をけっこうな割引価格で販売しています。こちらに来る前と後で、私のカバンがどれほど重くなったかは秘密です…

こうしたお店を前に、一体誰ならガマンできますか?私には無理です!

大河内山の陶芸の歴史は、3世紀半前、将軍が自分が使う専用の陶器を作るために窯を建てたことから始まりました。この場所が選ばれたのは、三方が山に囲まれていて、将軍にとって技術をコントロールしやすかったからです。つまり陶芸家たちは、見入りはよかったのですが、この谷を出ることは禁じられていたのです。

大河内山の江戸時代の時…

…そして今日の姿

もちろん今日の陶芸家は自由に移動することができますが、かつてと変わらず自らの陶芸に打ち込んでいます。私は畑萬(はたまん)陶苑で、「伊万里焼」が生まれる精妙な行程を学びました。伊万里とは、陶器が広く遠くまで積み出しされた港から名前が取られています。

皿を塗る前に、ヒビ割れがないか、火が入れば消えるピンクの染料を使ってチェックされます。

大河内山の古典的なデザインの色鍋島焼は、赤や黄、緑や青を使い、手塗りで、最低三回(時にはそれ以上)焼きます。

最初に、白の下塗りがあてられます。ひとつひとつとても薄いので、陶器だとは到底思えません。

次に、デザインの輪郭が皿に青で描かれます。

最後に、色を加えます。この花瓶は大河内山で通年展示される作品で、首相にお披露目される予定です!私ならそんなプレッシャーのもとで働けません…

最近では、薪を使うよりもガスや電気の窯がほとんですが、独自の目印として煉瓦づくりの煙突を残しています。

もう使われなくなった煙突の上から、植物が生えています!

数世紀さかのぼる伝統が共有されながらも、それぞれの窯には自分たちのスタイルがあります。色鍋島の他にも、青と白の鍋島染付、釉薬(ゆうやく)には地元の石が使われる鍋島青磁など古典的なデザインを作る窯もあれば、そうした技術を適用して、モダンなインテリアによく合う皿を作る窯もあります。

デザイナーの多くは、この谷間で豊かに育つ植物や花から着想を得ます。

現代的なデザインの数々。このカボチャのお皿もですが、西洋の家でもすごくよく合うでしょうね。

大河内山では、陶芸は視線の至るところにあります。

橋から…

…道沿いのお堂まで

周りのあらゆる芸術に触発されて、私も自分のために絵をひとつ描いてみることにしました。予約も必要ありませんし、一時間以内でできます。何に描くか選べますので、私は風鈴にしました。

完成、そして焼く準備ができました!きっと私はまだ窯で焼かせてもらうことはできないでしょうが、楽しかったです。

さよなら、秘窯の里!いつか戻ってこれたら…

精巧で優雅な大河内山の一日の後に旅館に戻ったら、ここでもさらに同じ魅力に出会ったのです。嬉野(うれしの)温泉にある大正屋は、それだけでブログに書く価値のある所です。

これはまだ夕食の最初のコースです!お皿はすべて地元の陶器です。

私の部屋部屋(そう、ひとつ以上あるんです!)からは、苔や灯籠で見事に完成された日本の伝統的な庭園が眺められます。

部屋の窓から見える庭園。お寺のようですが、さらにいいのは、中を歩けるんです!

温泉のお風呂からは、鯉が自分と同じ目線で泳いでいるのが見られ、まるで一緒にプールに入ってるかのようです。そして部屋は全体も、あらゆる細かな部分まで美しく、その点日本の陶芸と大きく共通点があるような気がします。

部屋のどんなに小さな側面までも洗練されています。このマッチ箱すごくいいです。

ここが今日のブログ執筆のオフィスです!こんな所なら喜んでずっと住んでいられますね…

翻訳:We Love Japan Tour 事務局・中山慶