本ツアーでの私の最後のHidden Beauty・隠れた魅力は、長野県大町市にある木崎湖にありました。この静かで控えめな湖には、現代的・伝統的を問わず様々なアート作品が、驚くべきいろんな場所に見つけられます。私は今日このエリアを散策して、できる限りのアート作品を見ようとしましたが…本当にたくさんありました!
本日の私のガイドの壮生(そうせい)さんはアーティスト。また元・猿追いでもあり、自分自身もこの地域に住みながら美術祭を企画しています。木崎湖は日本アルプスの麓に位置し、仁科三湖(にしなさんこ)のうちのひとつです。
長い湖畔にぐるりと、また周りの木々の間にもあるたくさんのアートの展示は、今年5年目の開催を迎えた信濃の国・原始感覚美術祭のものです。作品はあまりにも周りの環境と調和してるため、そこにあることを知らなければ完全に見逃してしまうところでした。私は壮生さんがいてくれてラッキーで、多分私ひとりだと見つけられませんでした!
この芸術祭の一番大事な季節は夏で、毎年8月いっぱいと9月の一週目にかけて開催されています。まだこの湖畔に残るほとんどの作品は、2015年に制作されたものか、丈夫な素材で作られたもので、紙などのより繊細なものは、年間の季節の変化の中で朽ちてゆきます。
インスタレーションの数々を歩きながら、森の色どりが美しくほっこりしました。
この森の道から湖の逆側に移動して、また違った景色を見つけました。
木崎湖は稲作地帯としても知られていて、この作品は稲作をアートに取り込んでいます。
アートはどれも興味深く、湖の自然の美しさを高めてくれるようです…あるいは、その逆かもしれません。
湖と田んぼの近くにある蔵では、驚くべき絵画が描かれていました。蔵で見つかった何気ない品々がそれぞれ、神の化身として壁画となっているんです。
会期中を除きアートの場所を示す地図はないのですが、西丸震哉記念館(ギャラリーとカフェとしても営業)に行けば、この地域に関するたくさんの情報が手に入ります。
このエリアではどこでも期待してしまいますが、この場所にも自前のアートがありました…地下には、いろんな色の土で描かれた素晴らしい壁画が。
昼食は、くつろげる雰囲気の「創舎わちがい」にて。ここは日本式の伝統的な建築で、地元のアーティストたちのギャラリーであることに加え、とにかく料理が美味しい!私が気に入ったのは、地元のおざんざという、通常の小麦粉に納豆が混ぜられた特別な麺料理でした。
そしてもちろん、レストランの裏にある蔵では、他にもアートの作品展示が。私はこれがとっても好きでした…とても精妙に陶器で作られた茎と花が、天井から渦をなして吊るされています。
そして町なかの簡単なツアーの最後には麻倉に寄りました。ここはギャラリーでも工房でもカフェでもあり、壮生さんの作品まで展示されてました!
車に歩いて戻ります。ふと目をやると歩道がアートで模様づけられています。でももう私は驚きません。これはチョークではなく、道路の白線と同じ材料で描かれているそう。
今日最後に立ち寄ったのは、少し町を離れた山の中でした。途中あまりに景色がキレイなので、写真のために都度都度停まらないとだめでした。
最後にたどり着いたのは「千年の森自然学校」で、ここにはミニサイズからフルサイズまでのツリーハウスがあって、実際に滞在できるんです。この季節には少し寒すぎますが、夏は人で賑わいます。森のマネージャー・朝重(ともしげ)さんが案内でまわってくれました。
たくさんのツリーハウスを見ましたが、中でも壮観だったのが、未舗装の道路を車で走り、その後森の道を上って着いた高台での「リトル・ハウス」。ここの渓谷と湖をすべて一望できる壮大な眺めです。
山を下りる時に、本日の最後のアート作品を発見。風や嵐が形になったように思わせるツリーハウスでした。
こうしてアートめぐりをしっかり果たして、宿泊席のゲストハウス・カナメへと戻りました。このゲストハウスの少しユニークなのは、ゲストも滞在中に料理や掃除をお手伝いすること。オーナーの辰巳さんが、みんなを歓迎してくれます!
ゲストハウスは伝統的な家屋なのですが、小さい色んなものが家庭的な感じでとても気に入りました。
さて、この正に最後のHidden Beauty・隠れた魅力をもって、We Love Japan Tour 2015の私のブログは終わりとなります。大町の皆さん、本当に素晴らしい一日をありがとう。ツアーの運営チーム、訪れたすべての場所、北ルートで出会えたすべての人たち、皆さんの好奇心と熱さと地域への誇り、そして親切に助けてくれたことに感謝します。最後に私が思うのは、きっと本当のHidden Beautyとは日本に住む人々なのだということ。みんな、心の底からありがとうございました。
それでは、糸魚川で会いましょう!