地元の特産品を試すのは常に旅の醍醐味ですけど、今日はその見事な言い訳がありました。なぜなら、本日のHidden Beauty・隠れた魅力は、石川県白山地域のお料理だったからです。白山は日本でもっとも知られた山のひとつで、千年前からすでに、平安時代の宮廷文学でも取り上げられた場所です。白山の勾配(こうばい)は海岸の平野に対して急で、それによってこの比較的小さな地域に、豊かな動物や魚の恵みがあります。
豪雪地帯のこの地域では、長い冬の間に食べ物を保存する発酵食が、重要な意味合いを持ってきました。しかし、私の最初の目的地であるあら与では、ある他の「致命的な」理由で、とてもユニークな発酵法が行われていたんです。
魚のしらこは日本料理ではおなじみですが、でもフグのしらことなると、ひとつ少し問題があります。そう、猛毒なんです…そのため、このしらこを一年間塩漬けにすることで、水分とほとんどの毒素を出します。
せっかちな人向けのものではないですね…
これはまだ軽食に過ぎません…獅子吼荘(ししくそう)の昼食は、正にあらゆる発酵食のごちそうで、塩気のある米麹と焼き鮭や、なめらかな米麹と大根、にしん漬けに、さらに米麹がのったぶどうまで、囲炉裏にて頂きました。
笹ずしづくりにも挑戦しました。干しエビとわかめをのせたおにぎりを竹の葉で包んで、木の枠で押します。わずか数日もつものですが、これもまたひとつの保存食のやり方です。
白山地域には酒蔵がいくつかあり、山からの湧き水を使っています。私が訪れたのは宮本酒造で、三人の醸造家が高品質な職人の酒を作っています。
しかし、いくら私でさえも一日中食って呑んで、とはいきません…というわけで、地元で有名な産業である、浅野太鼓にも少し立ち寄りました。そこで見たのは、巨大な丸太から切り取られた太鼓です。
そして、白山比め(しろやまひめ)神社に行かなくては、この地域に来た甲斐がありません。
ここでお祈りをすると、実際に白山に登らなくても、その山頂でのお参りと同じだけのご利益を授かることができるのです。これは見逃せない機会なので、私は神様にお祈りするための儀式に参加しました。
それから、夕食に宿に戻る時間になりました。道中は山の景色を楽しみながら。
白山の道を高く行ったところにある、岩間山荘が本日の宿です。車を泊めてすぐに、そばをタヌキ(アナグマのような生き物)が、しれっと散歩して通り過ぎました。でもロビーでは、さらに獰猛な動物が…
オーナーの旦那さんは猟師さんなので、この宿で出される美味しい料理の特色は、熊肉と猪肉です。
今晩の夕食は、他にも熊鍋、熊肉の大根の煮付け、きのこと猪肉、蜂の子、そしてデザートには山ブドウのシャーベットでした。北村さんは最近たくさんの海外のゲストを迎えるようになってきたので、私は彼女に ”wild” - 「野生の」という単語を教えました。ほとんどの食材は山や、彼女の庭から採られるものだからです。
もう動けません…とはいえ明日になるとまた食欲も戻るかもしれませんが!山を越えて富山を目指し、あちらで木工体験をします。