本日の目的地は今までとかなり風合いが異なり、明治以降、日本の工業的発展の最前線であり続ける、活気ある北九州市です。私が本日訪れたのは、TOTOと安川電機という会社で、日本の技術として有名なトイレとロボットという、2つの分野をリードし続けています。
私はTOTOの工場で「トイレができるまで」ツアーに参加しました。TOTOは、日本にもっとも先進的な衛生技術をもたらすために、約100年前に水洗トイレを製造し始めました。国内でほとんど上下水道が整っていなかったことを考えれば、これは極めて時代の先を見据えたビジネス戦略でした。
TOTOは、トイレ製品を開発しながら、同時に陶器の食器を数十年にわたり製造することで採算を合わせました。そしてハイテクな「ウォシュレット」のトイレが、今や日本の家庭の標準になることで、この戦略は達成されたのです。
私が父にTOTOの工場に行くことを伝えたら、彼はしばらく日本の衛生工学をほめたたえ、一方で母は、日本のトイレはしばしば生け花が飾ってあったりと、いかに綺麗で清潔かを夢中にしゃべっていました。そして工場で私が知ったのは、この製造プロセスと審美性がその双方において、いかに考え抜かれているかということでした。決して見えない部分の部品であっても、スムーズに流れが可能となるように特別な技術を施した釉薬(ゆうやく)で施釉を行い、一方で製品の見た目はターゲットとなる市場の好みに合わせて改善されます。
まさに大河内山で見たお皿のように、陶器の便器は窯で焼かれます。ただ、この行程で生じる様々な違いはアート作品ならばとても重んじられますが、衛生陶器は極めて詳細な仕様に一致しなければなりません。TOTOではあらゆる製品が、人の手でチェックされます。
数ヶ月前にオープンしたばかりのTOTOミュージアムには、すでに約2万人が訪れました。文字通り、トイレに関するあらゆるものがここにはあり、ラウンジにある絵本からお店にはトイレがテーマの製品までとたくさん。まだ海外旅行客の間ではそんなに知られていませんが、私の両親のあの関心を見ると、すごく可能性がありそうですね!
そしてもちろん、見事な製造業はそれ単体では成り立ちません。TOTOの製造プロセスの一部はロボットによって行われており、私は実際にロボットが動くのを見るために、安川電機の工場を訪れました。
すべてのロボットが、必ずしも私が想像していたようなヒューマノイドではありませんでした。安川電機のロボットは主に工業的なプロセスの中で使われ、そこでさらにロボットが製造されたりするので、機能性が鍵です。ただししばらくして、その外見にこだわらず動き方を見ると、実際には人間の動きをベースにしていることがわかってきます。
イノベーションセンターではたくさんの体験活動があって、ロボット相手にトランプしたり、自分で動きを操縦したりできます。
私の宿にもまた、北九州のクリエイティブなスピリットが表れています。もともと洋服のショップだった場所に最近オープンしたタンガテーブルは、にぎやかな商業エリアにあります。TOTOや安川電機の施設のように、高度なデザインセンスが見て取れます。
私はこれまでのHidden Beauty・隠れた魅力の多様さをすごく満喫しています。さて、この次は一体何が待ち受けてるのでしょう…
翻訳:We Love Japan Tour 事務局・中山慶